“ニッポンの窓をよくしたい”MADOショップ15年の歩みと窓リフォームの未来
”ニッポンの窓をよくしたい”。そんなスローガンを掲げ、YKK APが建材流通店とパートナーシップを結んで全国に展開している窓リフォーム専門店「MADO(マド)ショップ」が2025年4月で15周年を迎えました。約100店舗からスタートしたこのネットワークは今や約1,000店舗へと広がり、売上規模は15倍にまで大きく成長しています。窓の結露・断熱・防音・防犯対策など、性能向上を通じた快適な住まいづくりを目指し、窓リフォーム市場の最前線で挑み続けてきた軌跡と、次の時代に向けた窓リフォームの未来への意気込みについて、リノベーション事業部長の志賀一徳さんに聞きました。
MADOショップ誕生の背景:新築卸売業からリフォーム元請業への挑戦
MADOショップが誕生したのは2010年。YKK APが窓リフォームの事業展開を大きく強化したタイミングです。当時、窓のリフォームといえば戸車(窓の開閉を支える下部の滑車)の交換などの部品の修繕が中心で、窓を断熱リフォームすることで住まいの快適性が変わることが知られておらず、無断熱のストック住宅の価値向上や住宅の省エネ化が進まないといった大きな社会課題がありました。また、窓を取り扱う建材流通店の主な業務も、フレーム(サッシ)にガラスを組み込んで窓に仕上げて、建築会社の新築現場に納品する「BtoB(法人営業)」ビジネスが主流でした。一方、成熟社会に入り人口が減少し続ける状況下で、新築中心の住宅市場からリフォーム市場への変化が予想されており、建材流通店にとっては新築の需要だけに頼った経営を続けることは、大きなリスクでもありました。生活者にとっても「窓リフォームをどこに頼めばよいか分からない」、「安心して依頼できる業者が分からない」などの不安要素が多くありました。
外窓交換の提案を開始(当時の資料)
YKK APは窓リフォーム事業を成功させるためには、地域企業としての基盤を持ち、生活者と直接接点を持つことができる建材流通店の協力が必要不可欠と考え「お客様に直接窓リフォームを提供するBtoC(一般生活者向け元請け)のビジネスモデルを一緒にやりませんか」と協業を呼びかけました。志賀事業部長は「新築に対する窓の供給だけでなく、リフォーム分野をもう一つの軸としてお客様に直接販売していく仕組みを共に築きたかった」と当時を振り返ります。同時期に住宅エコポイント制度(※1)が導入されたことも追い風となり、新築卸売業からリフォーム元請業への、大きな業態転換への挑戦が始まりました。
YKK AP直営のMADOショップ(当時)
現場の課題解決と成功事例の共有:「MADOショップ SUCCESS」の取り組み
しかし、長年BtoBを生業としてきた建材流通店にとって、BtoCへの転換は容易ではありませんでした。「MADOショップの看板は掲げたものの、どう集客していいかわからない」と戸惑う店舗も多かったと言います。そこで2013年からスタートしたのが、成功事例を共有する場「MADOショップ SUCCESS(サクセス)」です。全国の加盟店が集まり、集客や受注のノウハウを共有し合うことで、エリアを越えた自主的な勉強会や部会活動といったネットワークが自然発生的に生まれていきました。また、この取り組みは建材流通店に新しい風を吹かせました。生活者により近い視点を持つMADOショップのスタッフが集客や接客の最前線に立ったり、YKK AP社員がきめ細やかな提案を行うアドバイザーとして活躍したりするなど、性別やキャリアを問わずに活躍できる場が広がったのです。
MADOショップ SUCCESS 2018 集合写真
グランプリ店のプレゼンの様子
現場の声を形にする:共創による商品開発
YKK APとMADOショップが手を取り合い、現場の声を実際の商品化へと繋げた『共創』も大きな特徴です。「BS(ブレインストーミング)ミーティング」という場を設け、MADOショップから多数の現場経験に基づく“あったらいいな”と思う商品やオプション部材などの要望・アイデアを直接吸い上げました。YKK APではこれらの要望やアイデアをもとに商品開発を行い、「CONVENTION(コンベンション)」で新商品として発表するというサイクルを築いたのです。 実際、現在の主力商品の1 つである「マドリモ マンション用」や「ドアリモ 浴室ドア」のリフォーム用取り替え商品などは、MADOショップから出たアイデアが形になったものです。志賀事業部長は「自分たちの意見が実際に商品化されることで、『自分たちが提案したのだから売ろう』というMADOショップのモチベーション向上にもつながりました」と語ります。壁を壊さず手軽に施工できる「マドリモ」「ドアリモ」の開発や現場の声によるさらなる商品のブラッシュアップにより、窓リフォームはお客様にとってもより身近なものへと変わっていきました。
BSミーティング 売れる商品についてのプレゼンの様子
CONVENTION 商品化についての発表の様子
窓リフォームの未来へ:地域密着の窓の専門家とともに
現在、カーボンニュートラルへの関心の高まりや「住宅省エネキャンペーン(※2)」など国の手厚い補助事業に後押しされ、お客様の間でも窓の断熱・防音・防犯などの「窓の性能」に対する認知が広がりつつあります。MADOショップによる窓・玄関ドアなどの施工事例は6万件(※3)を突破し、多くのお問い合わせをいただくなど、まさに15年前から一貫して取り組んできた“ニッポンの窓をよくしたい” という活動が、着実に世の中へ広がりを見せるとともに、国の住宅政策とも方向性が一致し、私たちの使命がより一層重要視される時代になっています。
今後の展望として、志賀事業部長は「まずは、内窓商品「ウチリモ」をフルラインアップすることで、今まで取り付けを躊躇した方に向けて、また今年から補助金の対象になった学校など非住宅建築物にも積極的に取り組み、新たな需要を共に創出していきたい。そして、窓リフォーム商品はまだまだ補助金の影響を受ける商材だが、将来は補助金に頼らなくとも需要を創造し続けられる市場の構築を目指している。」と語ります。
地域に根差し窓リフォームの提案を行ってきた「MADOショップ」。“ニッポンの窓をよくしたい”という変わらぬスローガンを掲げ「地域密着の窓の専門家」としてこれからも市場を牽引していきます。
窓リフォームへの取り組みを語る志賀事業部長
※1: 景気の活性化や地球温暖化対策を目的として、国土交通省・経済産業省、環境省の三省合同事業。エコ住宅の新築やエコリフォームに対して一定のポイントを発行し、さまざまな商品との交換や追加工事の費用に充当することができる制度。
※2: 2050年カーボンニュートラルの実現に向け、家庭部門の省エネを強力に推進するため、住宅の断熱性の向上や高効率給湯器の導入等の住宅省エネ化を支援する補助事業の総称。
※3: MADOショップの公式HP に掲載されている施工事例の数。
志賀 一徳(しが かずのり)
1988年入社。現在のYKK AP山梨支店にて20年勤務。首都圏エリアを中心に支店長、ブロック長に。その後、北海道支社長、東北支社長を経て、2025年度から、現職にてリノベーション事業に関する全体総括を担う。
この記事をシェアする
- SNSリンク X X シェアする
- SNSリンク Facebook Facebook シェアする
- SNSリンク LinkedIn LinkedIn シェアする
- SNSリンク LINE LINE シェアする
- コピーする リンクコピー リンクコピー リンクをコピーしました