ニュースリリース

ビル建築の外皮性能確認・省エネ適判申請のための計算書自動作成が可能な非住宅向け「省エネ検討WEBサービス」を無料公開

建築物省エネ法改正(省エネ基準への適合義務化)における省エネ計算業務をサポート

企業情報

 YKK AP株式会社(本社:東京都千代田区、社長:魚津 彰)は、WEB省エネ設計支援サービスを展開する株式会社one building(本社:東京都目黒区、代表:金田 真聡、桑島 隼也)と協力し、無料で利用できるビル建築の非住宅向け「省エネ検討WEBサービス」を10月16日に公開しました。

 本サービスは、建築設計事務所・ゼネコン設計部の実務担当者向けの省エネ計算ツールで、BIMデータや専門的な省エネ計算の知識がなくても、ガイドに沿って入力するだけで簡単かつスピーディーに外皮性能(※1)が確認でき、省エネ適判申請に必要なWEBPRO(非住宅建築物の省エネルギー性能を評価する際に使用される、建築物省エネ法に基づいたウェブプログラム)入力シート(※2)も作成できる無料サービスです。

 YKK APは省エネ性能を左右する要素である窓や建材を提供するメーカーとして、one buildingが開発した本サービス(※3)にYKK APの非住宅向け製品情報を初期設定用に提供したほか、使いやすさを追求し両社で検討を繰り返して公開に至りました。これにより、2025年4月施行の省エネ基準適合義務化、2026年4月施行の中規模非住宅建築物の基準引き上げ、2030年の基準引き上げへの対応や、省エネ計算業務のサポートおよび負荷低減のため、設計案の作成段階から”省エネを見える化”する環境を提供します。

「省エネ検討WEBサービス」:https://bimsustainaforenergy.jp/solutions/tekihan/kentoweb

ポイント1:WEBブラウザでのかんたん操作のみ!無料で省エネ性能の把握が可能
ポイント2:省エネ適判申請に必要なWEBPRO入力シートの作成も可能
ポイント3:非住宅の全てのビル建築物に対応

【背景・目的】
■市場動向と業界課題
 2025年4月から、すべての新築建築物に省エネ基準への適合が義務化され、2030年にはさらなる基準引き上げも予定されています。これにより、建築設計の現場では省エネ計算に伴う業務負荷の増大が課題です。また、設計の初期段階から省エネ性能を的確に把握しながら検討することが不可欠になっています。
 従来、省エネ性能の数値を把握できるのは建築の設備仕様が決定した設計の後半フェーズであり、専門業者への外注などを経てようやく確認できるのが一般的でした。そのため性能を確認せずに設計を進めた場合、性能要件に適合させるための調整が後工程に集中したり、最終フェーズで基準適合のための大幅修正が発生したりするなど、設計の手戻りに伴う時間・コストの負担が生じるリスクがありました。また、省エネ計算業務は専門的な知識や手法が必要なため一部の担当者や外部の専門業者への委託に偏在しており、今後は省エネ計算の需要に対して供給が不足することも予測されます。

■課題解決
 こうした課題に対応するため、全ての設計者が手軽にかつ効果的に省エネ検討を行える環境を目指し、設計案作成段階からWEBブラウザに建物の情報を入力するだけで、無料で簡単に省エネ性能をシミュレーションできるサービスを開発しました。建物の方位や大きさ・形状、窓のサイズや配置など、設計の初期に決まる要素が省エネ性能にどのような違いを生むのかを確認しながら検討することができます。
 今回は、特に建築デザインに大きな影響を与える「窓」に注目。初期設定されているYKK APの非住宅向け製品情報を選択することで、窓の選択が建物全体の省エネ性能に与える影響を、実際の製品ベースでリアルにわかりやすく把握できる仕組みを実現しました。設計者は省エネ性能を確認しながら設計を進めることで、省エネ基準に適合しつつデザインの可能性を最大限に広げることが可能になります。また、手戻りのリスク、業務負荷、計算コスト、着工遅れのリスク低減にもつながり、施主や関係者との合意形成も効率的に進められます。

 YKK APは、「省エネ検討WEBサービス」への製品情報提供およびサービスの普及を通じて、建築設計業務の効率化を支援し、省エネ化が義務付けられたこれからの社会において、持続可能な建築づくりに貢献してまいります。

【主な特長】
ポイント1. WEBブラウザでのかんたん操作のみ!無料で省エネ性能の把握が可能
専用ソフトの購入やダウンロードは一切不要で、インターネットに接続されたパソコンさえあれば、いつでもどこでも無料で利用できます。省エネ計算が初めての方でも、画面のガイダンスに沿って必要情報を入力・選択するだけで簡単に省エネ性能を把握することが可能です。省エネ計算に必要な建材情報が登録されているので、精度の高いシミュレーションが行えるほか、法改正にも自動で対応します。
プロジェクト数や計算回数には制限がないため、コストを気にせず、複数プロジェクトで、複数の案を納得いくまで何度でも検討できます。また、プロジェクトメンバーや設備設計事務所との共同利用が可能なため、複数メンバーで情報共有しながらスムーズに検討を進めることができます。

ポイント2. 省エネ適判申請に必要なWEBPRO入力シートの作成も可能
建築物省エネ法に基づく適合申請(省エネ適判)のため、省エネ計画書類が必要となります。このうち、建築物の省エネ性能を評価するための「計算書」の自動作成が可能です。

ポイント3. 非住宅の全てのビル建築物に対応
オフィス、ホテル、病院など、非住宅の全ての用途に対応しています。2025年4月から、すべての新築建築物に適合が義務化された省エネ性能を、設計段階から的確に把握しながらデザインを検討することが可能です。

▼「省エネ検討WEBサービス」の詳細はこちら
https://bimsustainaforenergy.jp/solutions/tekihan/kentoweb

※1:外皮性能(BPIm / Building Performance Index for the envelope)は、建物の外皮(外壁・屋根・窓など)の断熱・気密性能をもとに算出する外皮性能指標です。なお、省エネ適合判定(省エネ適判申請)では、外皮性能に加えて設備や一次エネルギー消費量も含めた BEIm(Building Energy Index for model building) が正式な評価指標として用いられます。
※2:WEBPRO入力シートは、国土交通省が提供する建築物省エネ法の一次エネルギー消費量算定プログラム(WEBPRO)用の入力ファイル。建築物の外皮仕様・設備仕様などを入力して、省エネ性能(BEImなど)を算定・申請するために用いられます。
※3:本サービスは、one buildingが今後も機能を拡充していく予定です。特に建築部分の省エネ性能に影響のある断熱材や設備情報など、建材の選択肢を順次拡大していきます。これにより、より多様な条件下でのシミュレーションが可能となり、設計初期から現実的かつ包括的な省エネ検討を支援します。

<参考情報>
YKK APの非住宅向け簡易省エネ計算サービス「Asutaina for Energy(※4)」との連携
「省エネ検討WEBサービス」は、YKK APが2025年春から提供を開始している非住宅向け簡易省エネ計算サービス「Asutaina for Energy(アステナ フォー エナジー)」と連携しています。「Asutaina for Energy」で算出した判定結果のWEBPRO入力シートをダウンロードし、本サービスにアップロードすることで、初期設計段階で入力した情報が自動反映され、さらに詳細な外皮性能の検討に進むことができます。これにより、「初期の概算検討」から「詳細な性能検証」へと、よりシームレスな設計プロセスが可能になります。
▼非住宅向け簡易省エネ計算サービス「Asutaina for Energy」はこちら
https://www.ykkap.co.jp/business/tools/asutaina/

※4:「Asutaina」は株式会社one buildingの商標登録です。現状、対応建物用途は事務所のみですが、今後順次、建物用途を拡大していく予定です。

「省エネ検討WEBサービス」オンライン説明会を開催
YKK AP主催の「省エネ検討WEBサービス」オンライン説明会を開催します。実際の操作方法の紹介や活用方法、サービス利用による効果などをご説明します。
<開催概要>
日時:10月22日(水)・31日(金)、11月5日(水)・10日(月)各日13時30分 ~14時30分
   ※各回とも同一の内容です。ご都合の良い回にご参加ください。
開催形式:オンラインウェビナー(Zoom)
参加費:無料(事前登録制)
参加上限:各回1,000名
申込:専用フォーム(https://forms.gle/J5kHgnd3xzaF6db49)よりお申し込みください。

株式会社one buildingについて
株式会社one buildingは、テクノロジーで建築の未来をデザインするClimate Tech企業です。デジタル技術で建築情報を統合・活用し、持続可能な社会の構築を目指しています。建物の性能最適化と長寿命化を実現するサステナブル建築の標準化を推進し、次世代の建築をリードします。

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