カーポート基礎掘削時の省施工化を実現する工法

技術と建築文化

建築業界では、施工技能者の高齢化などによる人手不足が深刻な問題となっています。特にカーポートの施工は、基礎工事や重量物の荷揚げなど身体的な負担が大きい作業です。また、従来工法は施工技能者の技量によって仕上がりにばらつきが出やすいため、「誰が施工しても高品質を保つこと」が課題でした。YKK APは、これらの課題解決のため、新しい発想の基礎工法用の柱脚金具「イージープレート」を開発しました。

カーポートを支える最も重要な部位である基礎。基礎には積雪などによる下向きの荷重、風の吹き上げによる上向きの荷重、積雪や風による転倒という水平の荷重が加わり、それらの条件を踏まえて基礎のサイズを決める必要があります。しかし、基礎サイズが大きくなればなるほど、掘削時の作業負荷が大きくなり、かつ残土量も増えることになります。
そこで生まれたのが、「土間コンクリート自体に基礎の役割をもたせる」という新工法です。この工法では、専用の柱脚金具「イージープレート」をカーポートの柱脚部に取り付け、その上から土間コンクリートを敷設することで、柱脚部に作用する上・下・水平荷重を土間コンクリートに負担させます。これにより、浅い掘削でも十分な強度を確保することに成功しました。
新たな発想の基礎工法であるため、解析によるシミュレーションや実物大モデルでの実験などを繰り返し行うとともに、外部有識者にも評価いただくなど、さまざまな検証を積み重ねて実用化に至りました。

「イージープレート」を使用した工法は、施工の省力化に大きなメリットをもたらします。まず、基礎サイズ自体を小さくすることができるため、掘削や残土処理の手間が減ります。従来工法に比べ、基礎掘削・残土処理の時間を148分から31分へ、基礎打設時間を29分から0分へと合計で146分短縮でき、これによって掘削量・残土量も約80%削減することができます。

※「ジーポート Pro」3000タイプ 5555サイズ 4本柱の施工で比較

また、お客様の敷地活用においても利点があります。従来工法では、柱が基礎の中心部にあるため、隣地境界線との隙間を空けざるを得ませんでした。一方、新工法は基礎の大きさに左右されないため、柱を隣地の境界ぎりぎりまで寄せることが可能で、敷地対応力を高めることができます。

施工技能者の負担を減らしながら、お客様に確かな品質を提供する―こうした技術開発に今後も挑み続けていきます。

モノづくりストーリー

モノづくりにまつわるストーリーをご紹介します。

s