トップメッセージ

YKK APについて

「稼ぐ力」を備え、挑戦し続ける組織への変革が急務

当社では、2023年の社長就任時に“2030年のありたい姿、あるべき姿”を「世界のリーディングカンパニー」と掲げており、YKKグループの企業精神である「善の巡環」とYKK APパーパスに則り、チャレンジを続けています。

2024年度は、売上高が5,616億円と、4年続けて過去最高を更新したものの、資材価格の高騰や円安などの影響で、営業利益は180億円と前年度を下回りました。「儲かる体質」への変革が急務であり、2025年度からスタートした第7次中期経営計画は、前半2年で「収益構造の変革」「技術革新による価値創造」の二軸により収益力を強化します。収益力が高まれば、事業成長に向けた投資が可能になることから、後半2年で改めてビジョン「Evolution 2023」に挑戦します。そして、最終年度となる2028年度の計画を売上高7,039億円、営業利益389億円と定めました。

収益力強化に向けた取り組み

「収益構造の変革」のキーワードは、「リフォーム・改装分野へのシフト」と「断熱性能向上」です。国内事業では、リフォーム・改装分野における専門対応部署の新設のほか、住宅分野では、断熱性の観点から樹脂窓、木製窓およびアルミ樹脂複合窓の売上伸長をめざし、好調なビル事業では、改装分野で高断熱商品の拡充を図ります。また、近年、大型建材や自動車の装備品などアルミ製品での受注が増加しています。年間のアルミ押出重量を拡大し、素材構成の最適化と収益力強化も進めます。
海外事業については、アジアではこれまでターゲットにしていた高級市場に加え、需要規模が大きい中級市場を狙います。そのための供給体制も整えました。北米では、ビル建材事業の西部への拡大を狙い、ロサンゼルスに製販一体の拠点を設けました。住宅建材事業では、南部での販売エリア拡大に取り組んでいます。欧州に関しては、ドイツにYKK APヨーロッパ社を設立しました。事業エリア拡大だけでなく、窓商品の先進地域である欧州のニーズに応え、当社の技術力をさらに高めることも狙っています。
また、デジタル技術による製造ラインの無人化や、プラットフォーム化など、製造現場での供給体制の最適化を図り、収益力強化にもつなげます。
一方の「技術革新による価値創造」に関しては、ビル用アルミ形材断熱窓や高断熱カーテンウォールの開発・提供を加速させるほか、都市緑化へ貢献する事業や、ビルの窓や壁面を活用する「建材一体型太陽光発電」の開発など多分野での高付加価値商品を創出してまいります。

チャレンジャー精神を発揮する組織に向けて

これまで紹介した計画は、人材なくして成し得ません。YKKグループの「森林経営」の思想に基づき、一人ひとりが自律し共生する組織であるべく、「人材」領域をマテリアリティ(重要課題)としています。会社全体を俯瞰し、バックキャスティングで考え、能動的に仕事に取り組む、挑戦する人材が増えることで、第7次中期経営計画でめざす「変革」の実現につながります。

YKK APが着実に業績を伸ばすことができたのは、建材事業を始めた先人たちが常に挑戦してきたからこそです。厳しい外部環境が続く今こそ、チャレンジャー精神を一層強め、「世界のリーディングカンパニー」への歩みを進めてまいります。

YKK AP株式会社 代表取締役社長
魚津 彰

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